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スジグロシロチョウとツマキチョウ

前回、多摩川のポイントでスジグロシロチョウに出逢えなかったので、昨年6月にスジグロシロチョウを多数見かけた別のポイントに行ってみた。 モンシロチョウが多かったが、スジグロシロチョウやツマキチョウ、キタキチョウが居て、互いに絡み合って飛んでいた。 また、ポイントに向かう途中、そこかしこでアゲハを見かけた。既に相当数が発生しているようだ。 今年の3月は寒く、春の到来が遅いと思っていたが、ここへ来て急速に初夏めいてきたようだ。 これは、もう今年はコツバメは無理かな。

スジグロシロチョウ♀ | Pieris melete | 橘樹郡衙付近
スジグロシロチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
スジグロシロチョウ(産卵)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
ここなら居るはず、と思ってきたので出逢えて嬉しい。しかも、貴重な産卵シーンまで見せてくれた。但し、数はそれほど多くなかった。春先は個体数が少ないのだろうか。

※スジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウの同定は諦めています。写真の個体がどちらか分かる方は、是非判別方法を教えてください。

ツマキチョウ♀ | Anthocharis scolymus | 橘樹郡衙付近
ツマキチョウ(産卵)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
ツマキチョウ(産卵)その2
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
ツマキチョウ(産卵)その3
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
ツマキチョウも♂と♀がそれぞれ姿を見せてくれたが、♂の方はまったく静止してくれないので、撮れない。もっと朝早くでないといけないのだろうか。♀の方は、スジグロシロチョウ同様にサービス精神満点で、産卵シーンを撮らせてくれた。残念ながら、3枚とも卵は写っていないようだ。(3枚目などは腹部の先端自体が隠れてしまっている)

道端 & 多摩川

午前中と夕方に外出する機会があった。

午前中(道端)

モンシロチョウ | Pieris rapae | 道端(川崎市)
モンシロチョウ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
市街地内をモンシロチョウが飛び交う季節になった。

夕方(多摩川散策)

モンシロチョウ | Pieris rapae | 多摩川
モンシロチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
まず、昨年の4月21日に見つけたツマキチョウとスジグロシロチョウのポイントへ行ってみた。しかし、居たのはモンシロチョウばかり。スジグロシロチョウの姿は皆無。ツマキチョウも唯一1♂を見かけたが、すぐに木立ちを超えて飛び去ってしまった。
ツマキチョウ | Anthocharis scolymus | 多摩川
ツマキチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
次のポイントへ移動してみたところ、灌木の周囲を数頭のツマキチョウが休息場所を探して飛んでいた。そのうちの1頭が枝に静止したところを撮影。翅裏しか撮れなかったので♂♀の判定ができない。この個体を撮影しているうちに、他の個体も休息場所を見つけたらしく、どこへ行ったか分からなくなってしまった。
ヤマトシジミ | Pseudozizeeria maha | 多摩川
ヤマトシジミ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
ツマキチョウはみんな消えてしまったが、まだ土手をブルーのシジミがちらちらと数頭飛んでいた。ヤマトシジミだった。
ヤマトシジミ(開翅)
RICOH R8 | 18.7mm(105mm-equiv.)
開翅シーンをを縦位置で撮影。
ヤマトシジミ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
土手の雰囲気が背景に入るような構図にしてみた。普段は構図なんか考えてないのですが。よく考えたら、もっと広角で撮れば良かったのかな。

開幕戦(新治市民の森)

地震以来、控えていた Fieldwork を再開。

前回から1ヵ月以上経っているのでもはや偵察とは言えない。 今年の開幕戦である。 10:30頃から13:00頃までの約2時間半を使って歩いた。

キタテハ | Polygonia c-aureum | 新治市民の森(横浜市緑区)
キタテハ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
キタテハ
RICOH R8 | 6.3mm(36mm-equiv.)
まず最初に出迎えてくれたのは越冬蝶のキタテハ。 この後も、あちこちの陽当たりの良い斜面から飛び出してきた。
ミヤマセセリ | Erynnis montanus | 新治市民の森(横浜市緑区)
ミヤマセセリ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
ミヤマセセリ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
ミヤマセセリ(羽化不全)
RICOH R8 | 8.9mm(50mm-equiv.)
常見谷戸の雑木林斜面を黒っぽいのが飛び交っているな、と思ったら本種だった。 今年の新成虫では初見であるばかりでなく、本種は生涯初見でもある。 内心、本日最大のターゲットにしていたので嬉しい。 陽当たりの良い雑木林斜面であれば広範囲で確認できたので、発生環境も覚えた。 3枚目の個体は旭谷戸の方で撮った後翅が羽化不全の個体。
モンシロチョウ | Pieris rapae | 新治市民の森(横浜市緑区)
モンシロチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)
新成虫2種類目はモンシロチョウ。 耕作地周辺で複数発生、翅はやや痛んで新鮮とは言えない個体ばかりだったが数はあまり多くなく、昨年3月14日の黒川と同程度。今年も春の訪れは遅い印象だ。
ベニシジミ | Lycaena phlaeas | 新治市民の森(横浜市緑区)
ベニシジミ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.)
新成虫3種類目はベニシジミ。モンシロチョウ同様に耕作地周辺で見られたが、数はさらに少ない。

他には越冬蝶のルリタテハが1頭見られたくらい。 期待していたテングチョウ(越冬)、モンキチョウ、ルリシジミ、コツバメは見られなかった。

追記

他の方々のBlogを拝見していると、「寒が戻って蝶に出逢えなかった」という記述が多い。朝夕は冷え込んだけど、日中は充分気温が上がって良かった♪と思っていたのでちょっと意外。選んだ Field が良かったのかも。

多摩川偵察(3):本日も蝶初見はお預け

昨日は東京の最低気温は8.6度、最高気温が20.8度とかなり暖かな一日だった。ところが、本日は最低気温が3.8度、最高気温が10.8度と再び気温が下がってしまった。結局、本日も蝶の姿を見ることはなかった。

昨日だったら、蝶の姿が見られたのだろうか。

多摩川偵察(2):本日も蝶の姿は見られず

先週末はまさかの雪。昨日から再び暖かくなったが、それでも本日の東京の最低気温は1.6度、最高気温が11.1度と先週とほとんど変わらない。

「まあ、無理だろう」

と思いつつ多摩川の土手と河原をかなり長めに往復してみたが、やはり蝶の姿は見られなかった。

多摩川偵察(蝶見なし)

一昨日まで少し暖かな陽気を感じていたのに、昨日から一転して寒が戻ってきた。本日の東京の最低気温は1.2度、最高気温は9.1度だったようだ。

駄目元で午後やや遅めの時間帯に多摩川の土手を一往復してみたが、当然のことながら蝶の姿は見られず、今年の蝶初見はお預けとなった。

西丹沢遠征(大又沢林道):その3(その他の蝶・蛾)

西丹沢:大又沢遠征のその3。今回が最終回です。その他の蝶と蝶以外に蛾も1種撮ったのでまとめて掲載します。

スミナガシ多数

今回の遠征で、カラスアゲハと並んで最も多く見られた蝶がスミナガシ。長い林道のあちこちで吸水するもの、獣糞で吸汁するものが多数見られた。今までスミナガシという蝶はそれほど個体密度は高くないと思っていたのですが、考えを改めるべきでしょうか。写真もたくさん撮りましたが、今回はそのうちの4枚掲載しておきます。

スミナガシ | Dichorragia nesimachus | 西丹沢
スミナガシ(開翅)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
まずは路上で吸水中の個体の開翅写真。この日2番目に逢った個体。
スミナガシ(閉翅吸汁)
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光 +0.3EV
獣糞で吸汁中の閉翅写真。この個体は5番目に逢った個体。
スミナガシ(集団吸汁)
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光 Flash=ON
獣糞で吸汁中の個体を撮影していたら、もう1頭寄ってきて2頭並んで吸汁を始めた。地蔵平から折り返した後は数えてないので、もはや何頭目なのか分からない。
スミナガシ(集団吸汁)
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.) 分割測光
さらに3頭目がやってきて吸汁しようとした。但し、左手前の個体が割と攻撃的ですぐに小突き回して追い出してしまったので3頭並んでいたのはほんの一瞬。いまいち構図もピントも合ってないが、せっかく3頭が1画面に写ったのでUp。

ところで、前述のキリシマミドリシジミを撮影しに来られた方が「今日はスミナガシを見ていない」と言っていて驚いた。私の方は数え切れないほど見ていたのに…。キリシマに集中しすぎて目に入っていなかったのでしょうか。

コミスジ

次にコミスジ。コミスジもたくさん居ました。

コミスジ | Neptis sappho | 西丹沢
コミスジ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
葉面でのテリ張りポーズ。
コミスジ
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.) 分割測光
上とは別の個体で林道上に降りたところ。吸水はしてません。

ジャノメチョウ

地蔵平の草地ではジャノメチョウを何頭か見かけました。本当は、ここでヒョウモンが見られないかと期待して歩いてきたのですが。

ジャノメチョウ | Minois dryas | 西丹沢
ジャノメチョウ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光
昨年小山田緑地で撮ったのはボロボロだったので、割と綺麗なのが撮れて嬉しい。

コムラサキ

次はコムラサキ。林道沿いの何箇所かで見かけたが、地蔵平が一番撮りやすかった。

コムラサキ | Apatura me | 西丹沢
コムラサキ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
前述のアサマイチモンジ?と並んで吸水していた個体。
コムラサキ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 (トリミング)
上のと同じ個体。近寄りすぎて飛ばれた先で開翅したので遠めからやや無理めに撮影。もっと近くで開翅してくれれば良いのに。

写真は載せませんが、他にもサカハチチョウ、ウラギンシジミ、クロアゲハ、オナガアゲハ、イチモンジチョウが見られました。(ウラギンシジミ以外はボロが多かった)

蝶以外の昆虫

蜻蛉が多数居ましたが、今回は蝶で充分と無視に努めました。しかし、これだけは別!と撮ったのがこの蛾です。シンジュサンが居たので手乗りにして撮影。

シンジュサン | Samia cynthia pryeri | 西丹沢
シンジュサン(手乗り)
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.) 分割測光
ちょっとボロな♂。中学生時代から大好きな蛾です。ヤママユ蛾の仲間はみんな好きですけど。毎年、盛夏を過ぎる頃になると出身中学の外壁に貼り付いていたものですが、今でも見られるでしょうか。ちなみに見るのはその中学以来です。28年振り?
シンジュサン(顔アップ)
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.) 分割測光
顔のアップ。ヤママユガ科の蛾はみんな愛嬌があって可愛いんだよね、顔が。

この子は林道上に静止していたので最初はそのまま撮っていました。そころが、そのうち蟻が1匹寄ってきて格闘を始めたので、こりゃヤバイと手に取って近くの木の枝に止まらせようとしたのですが、なかなか上手に止まってくれません。やっと止まらせても、しばらく見ているともぞもぞ動いた途端につるっと落っこちてしまう。
何度か繰り返した末に、最後は諦めました。寿命が近づいて弱っているのか、もともと鈍くさい種なのか…。(昔の記憶では何だかもともと鈍くさい種のような気がします)
ヤママユガ科の幼虫はもの凄い力で枝にしがみついていますが、それに比べると親子なのにえらい違いだなと思った次第。(幼虫は腹脚があるから当たり前か)

以上

西丹沢遠征(大又沢林道):その2(同定に自信が持てない蝶3種)

西丹沢:大又沢林道遠征の続きです。

3種ほど、ちょっと同定に自信の持てない蝶が撮れました。どなたか、ご教示いただけないでしょうか。

これはスジグロチャバネセセリ?

大又沢分岐でキリシマミドリシジミを目撃する直前、この日2番目に現れたのが小柄で凄く可愛いセセリ。これはスジチャかヘリチャに違いない!と大喜びで撮影。

スジグロチャバネセセリ? | Thymelius leonius leonius | 西丹沢
スジグロチャバネセセリ?
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光
ちっこくて目がくりっとしていて超可愛い。これはスジチャ?ヘリチャ?それともヒメキマダラセセリ?

翅の裏面しか撮れなかったので、スジグロチャバネセセリとヘリグロチャバネセセリばかりか、ヒメキマダラセセリとの同定も困難でした。図鑑で見ても翅表面での同定方法しか書いてない!!!

あちこち検索して、翅裏面での同定ポイントらしきものを3つほど見つけてきました。(あちこちのBlogからの寄せ集めです)

  1. 翅外縁部の色。(ヘリチャはやや白く、スジチャは地色とほぼ同じ)
  2. 後翅に斑紋が薄く浮き出るかどうか。(ヘリチャ、ヒメキマは出るが、スジチャは出ない)
  3. 後翅中室の区切り線。(区切り線でどう見分けるのかはっきり書いてないが、ヒメキマだと斜めの区切り線が出る?)

上記寄せ集めの同定ポイントによる私的同定結果は次のとおり。

  1. ヘリチャではない。(スジチャかヒメキマのどっちか)
  2. 斑紋出てない。スジチャ?
  3. 斜めの区切り線が有るように見える。ヒメキマ?

結局分からない。とりあえず3つめの区別点がいまいち曖昧なので、2つめまでの区別点を採用してスジチャ?としておきました。でも、全く自信がありませんので、どなたか是非ご教示下さい。

それにしても、セセリってアップで見ると何て可愛いんでしょうねえ。ちなみに、セセリは上の1頭の他にもう1頭だけ見られました。こっちのはヒメキマダラセセリで同定確定だと思います。

ヒメキマダラセセリ | Ochlodes ochraceus ochraceus | 西丹沢
ヒメキマダラセセリ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
ピントが合ってませんが、すぐに逃げられて1枚しか撮れなかったのでご容赦。翅表が見えればこうして同定できるんですけどねえ。

これはアサマイチモンジ?

地蔵平の入口の流水で吸水中のイチモンジチョウ。いつも見るのより大型で超新鮮だぞ、と念入りに撮影してきました。後でよく見たら、これもしかしてアサマイチモンジ?

アサマイチモンジ? | Limenitis glorifica | 西丹沢
アサマイチモンジ?
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光
開翅吸水中。アサマイチモンジの区別点である白斑がはっきり出ている。
アサマイチモンジ?
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
閉翅吸水中。裏面には何故かイチモンジチョウの特徴である白斑が出ているように見える。さて、どっちだ?

一番鮮明に写っている写真を出したので2枚の写真の撮影時刻が50分もずれていますが、たぶん同じ個体です。2つの区別点でよりはっきり出てるのは表面の方だと思ったのでアサマイチモンジ?としました。しかし、アサマイチモンジは初見なので少しだけ自信がありません。こちらについてもどなたかご教示下さい。

これはウラギンスジヒョウモン?

ミヤカラに逢えないまま地蔵平まで歩くことになったので三国峠移動は諦めた。そこで、帰路途中に河原が草原状になっているところで林道から降りてみた。そうしたら、葉裏で休息中のヒョウモンを発見。んん?これ、もしかしてウラギンスジヒョウモン?

ウラギンスジヒョウモン? | Argyronome laodice japonica | 西丹沢
ウラギンスジヒョウモン?
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 Flash=ON
前翅外縁部の形状はあまり丸くなくてオオウラギンスジヒョウモンっぽいけど、前翅裏面に微妙に白斑が出てる気がする。この白斑ってウラギンスジヒョウモンの特徴じゃなかったっけ?さて、どっちだ?
ウラギンスジヒョウモン?
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光
しつこく撮影していたら動き出して葉面へ。
ウラギンスジヒョウモン?
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-equiv.) 分割測光
そのうち、半開翅だが表面も撮影できた。前翅端に三角の白斑があるから、どっちにしても♀であることは確定。

前述のキリシマミドリシジミを撮影に来られていた方にちょっと見ていただいたところ、前翅の形状からオオウラギンでは?とのご意見でした。確かに前翅裏面の白斑は超微妙な感じですよね。でも、図鑑だとこの超微妙な白斑すら出ないのがオオウラギンに見えます。なのでまったく自信が持てないまま一応ウラギン?としています。どなたか、是非ご教示お願いします。

(さらに続く)

西丹沢遠征(大又沢林道):その1

また西丹沢へ遠征に行ってきました。

今回のターゲットはミヤマカラスアゲハ。昨年5月の日原遠征以来、もう何度目の挑戦になるのでしょうか。ミヤカラ狙いなら稜線より渓谷、ということで今回は大又沢林道を目的地としました。

但し、ミヤマカラスアゲハ以外にも草原性のセセリやヒョウモンが撮りたいので、ミヤマカラスアゲハ撮影の目的が達成でき次第、林道を引き返して三国峠~明神山へ転戦する予定としました。但し、苦戦した場合は片道3時間はゆうにかかりそうな地蔵平まで歩く予定なので、その場合は転戦する時間的余裕は無くなるでしょう。

最後に、直前になってもうひとつターゲットを加えました。キリシマミドリシジミです。今回遠征の予習のためにGoogle検索しているうちにヒットした、「かながわの蝶」という書籍の140頁(Googleブックスのプレビュー)にこう書いてあります。

ここでのハイライトは、県内では箱根地区とこの西丹沢一帯にしか分布していないキリシマミドリシジミの飛翔を、確実に観察できることである。
かながわの蝶/相模の蝶を語る会編(かなしん出版)

そういえば、フィールドノートのtheclaさんも8月1日にキリシマ狙いで丹沢の林道を歩いた。と書いたことを思い出しました。片道2時間以上歩いたとも書いてありました。なるほど、これは大又沢林道か世附林道のことにだったのか、と勝手に納得してこの蝶も急遽ターゲットに加えることにしたのです。もっとも私の撮影機材(RICOH R8)では樹上のゼフィルス撮影は難しいでしょうから、「この目で見られればラッキー、撮れたら奇跡」です。

カラスアゲハばかり…、ミヤカラはどこ?

前置きが長くなりました。

この日は浅瀬ゲートを8時20分頃に出発し、Fieldworkを開始しました。

まずは黒系アゲハですが、今回はカラスアゲハが最も多く見られました。林道上の湿地で吸水している個体も多かったですが、どれも単独吸水で期待していた吸水集団には出逢えませんでした。また、ややボロな個体が多くて新鮮な個体が居ません。午後には産卵行動を取る♀を2頭も目撃したことを考えあわせると、時期的にもうちょっと早め、7月下旬くらいの方が良かったのかもしれません。

カラスアゲハ | Papilio bianor | 西丹沢
カラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
カラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
ややボロな個体が多かった上、吸水中も小刻みに移動するのであまり良い写真が無い。これでも比較的マシに写っている2枚。

カラスアゲハの他にはクロアゲハやオナガアゲハも何頭か現れましたが、歩けども歩けどもミヤマカラスアゲハは出てきません。…どうして?
結局、ミヤマカラスアゲハに出逢えないまま、地蔵平まで歩くことになってしまいました。待望のミヤマカラスアゲハに出逢えたのは帰路、それも全ルートの3/4くらい戻ってから。

ミヤマカラスアゲハ | Papilio maackii | 西丹沢
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 8.9mm(50mm-equiv.) 分割測光
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 8.9mm(50mm-equiv.) 分割測光
まずは表翅を2枚見ていただきましょう、微妙に半開翅ですが。カラス達と違って超美麗な新鮮個体でした。暗かったので内蔵FlashをONで撮影した方が綺麗に写ったかなあ。裏翅は内蔵Flashを焚いて撮ったものもあったのですが、表翅は撮り忘れてしまいました。
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 ±0.7EV
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 ±0.3EV
後翅裏面の黄帯はわずかしか出てません。4枚目が一番良く撮れてるかな。

今回も駄目かと思いましたが、ようやく念願のミヤマカラスアゲハを撮ることができました。

キリシマミドリ乱舞

一方の「この目で見られればラッキー、撮れたら奇跡」のターゲット、キリシマミドリシジミですが、こちらは何とあっさりその姿を拝むことが出来ました。

朝、浅瀬ゲートを出発してわずか10分後。大又沢分岐に到着して「ここでキリシマミドリが見られるらしいが…?」と橋の上から見回すと、いきなり目の高さを旋回して沢脇の樹上へ駆け上がる青緑色に輝くゼフィルスが目に入った。うわっ!キリシマミドリだ!本当に見られた!

その場で20分ほど観察していたが、沢脇のアカガシ(?)の周りを1個体が旋回するとすぐに枝先から1~2頭が飛び出して絡み合う。同時に見られたのは最大3頭まででしたが、あっちこっちから飛び出すので個体数はもっと多そうです。ただ、ここのキリシマミドリシジミははるか上の方で飛び回るばかりで、時折下の方に降りてきても凄い速さで旋回して樹上へ戻っていくので、やっぱり撮影はノーチャンスでした。諦めて先へ進むことにしました。

実は私が大又沢分岐でキリシマミドリを観察しているうちに、デジイチを首から提げて大又沢林道を歩いて行かれた方が一人居ました。何となく「蝶を撮りに来た方かな?」と思っていましたが、林道途中で追いつきました。頭上を見上げています。

「キリシマですか?」

と声をおかけしたところ、やはりキリシマミドリシジミを撮りに来られた方でした。この方にいろいろお話しを伺いながら、キリシマミドリシジミの撮影ポイントを2箇所ほど教えていただき、どちらのポイントでもキリシマミドリシジミが絡み合って飛ぶ様子を見ることが出来ました。特に奥の方のポイントでは、同時に7頭が絡み合って飛ぶ様子まで見ることが出来ました。(ウラギンシジミ等も混じっていたかもしれませんが…)

教えていただいた撮影ポイントは、どちらも最初に見た大又沢分岐よりも撮影距離がぐっと近く、条件は良さそうです。しかし、それでもR8の200mmではどうにもならない距離でした。教えていただいた方の機材は35mm換算で450mm相当とのことでしたが、それでも「証拠写真程度にしか撮れてない」と苦戦されているようでした。R8からの買い換え候補としてCX3やGXR+P10ユニット(どちらも300mm)を検討しているけれども、もっと焦点距離の長い、それこそSonyのNEX-3/5のようなミラーレス一眼くらいは必要かもしれないと思いました。

(続く)

2011年6月12日追記

記事中に「キリシマミドリシジミを撮影に来ていた方」のBlogを見つけました。嗚呼っっ 今日も証拠画像(・_・、)のdaron3さんでした。こちらの記事に一緒に撮らせてもらったミヤマカラスアゲハの写真が載っております。遅まきながら、トラックバックを打っておこう。

小雨混じりの東高根森林公園にて

時々小雨がパラつく天候の中、東高根森林公園を1時間ほど歩いてきました。

こんな天候でも、小径の脇をキタキチョウとヤマトシジミ、スジグロシロチョウが低く飛んでいたほか、林縁をナガサキアゲハが飛ぶ姿を園内のあちこちで見ることが出来ました。ナガサキアゲハはどれももう、ボロボロでしたが、合計7~8頭は見たでしょうか。その間、クロアゲハの目撃数は0で、ナガサキアゲハばかりでした。
また、アカボシゴマダラが至るところに居ました。今年、昨年ほど街中ではこの蝶を見かける機会がほとんど無かったのですが…。
湿性植物園では1頭ずつですが、コミスジとクロコノマチョウも見ることが出来ました。

ナガサキアゲハ♂ | Papilio memnon | 東高根森林公園
ナガサキゲハ♂(訪花)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
ナガサキアゲハ♂(訪花)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
林縁を飛んでいく個体はまったく止まってくれないので、撮影チャンスが無い。そんな中で、1頭だけ訪花していたのを撮りました。翅はだいぶ痛んでいますが。
クロコノマチョウ | Melanitis phedima oitensis | 東高根森林公園
クロコノマチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
雨のおかげか、暗い樹林内に逃げ込むことなくモデルになってくれました。翅はやっぱり痛んでいますが。
アカボシゴマダラ | Hestina assimilis | 東高根森林公園
アカボシゴマダラ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 (トリミング)
2頭が絡み合うように飛んで着地しました。ちょっと期待したのですが、この後はほとんど何も起こらないまま飛び立っていきました。♂同士の勘違いだったのかも。

CORESERVERに移転しました。

今まで利用していたXREA+の広告免除契約期間が間もなく(7月31日迄)切れてしまいます。契約期間が切れても広告付きになるだけなら問題ないのですが、ディスク容量も減ってしまって容量オーバーになるので、この機会にCORESERVERに移転することにしました。プランはCORE-MINIです。なお、この投稿が移転後初投稿です。

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