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ウラギンヒョウモン

西丹沢遠征(三国峠)

西丹沢・三国峠へ遠征してきました。

時期的に端境期ではないかという一抹の不安はありました。例えば、同じ西丹沢でも沢沿いの林道へミヤマカラスアゲハ等狙いで行った方が良いのではないか。西丹沢以外でも、第三京浜→横横経由で行ける三浦半島や中央高速経由で富士山麓の林道へ行っても良いのではないか、と。

迷った末に行き先を決めたのですが、東名高速の事故渋滞に巻き込まれて現地到着が午後になってしまったり、予想通り端境期でほとんど蝶が現れないなど、結果的には失敗でした。

成果

車を駐め、身支度を整えて歩き出した直後に現れたのがスジボソヤマキチョウ。西丹沢では数が少なく、山梨県側で発生した個体が偶発的に飛来するとされている蝶だ。

スジボソヤマキチョウ | Gonepteryx aspasia | 西丹沢
スジボソヤマキチョウ
SONY α55 | TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
90mm(135mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
初見・初撮影です。ヤマキチョウと合わせて憧れていた蝶。 西丹沢で出逢うことはあまり期待していませんでした。嬉しい。

鉄砲木の頭へ向かう登山道は、神奈川県側はずっと林縁だが、山梨県側は登るにつれて疎林環境から草原環境に変化する。最初の疎林地帯ではやや飛び古したモンシロチョウやスジグロシロチョウが多く見られた。交尾個体も居たのだが、結構敏感で撮影しようと近寄ったら繋がったまま逃げられてしまった。

草原の中を登っていくが、ほとんど蝶が居ない。やはり端境期だったか。

ウラギンヒョウモン | Fabriciana adippe pallescens | 西丹沢
ウラギンヒョウモン
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
ウラギンヒョウモン
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
ようやく現れたウラギンヒョウモン。背の高い草藪の中で胴体が撮れない。

鉄砲木の頭の三角点周辺にもほとんど蝶が現れない。踏み分けすらない林縁部を強引に歩いてみたところ、キアゲハ、カラスアゲハ、アサギマダラなどが散発的に現れるのみであった。

ウラギンヒョウモン | Fabriciana adippe pallescens | 西丹沢
ウラギンヒョウモン
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
300mm(450mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
次に現れたのもウラギンヒョウモン。上の個体よりははっきり撮れている。
ヒメキマダラヒカゲ | Zophoessa callipteris | 西丹沢
ヒメキマダラヒカゲ
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
300mm(450mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
本当に何も現れないので、こんなボロボロの個体ですら撮る。 ヒメキマダラヒカゲらしい。
ウラギンスジヒョウモン | Argyronome laodice japonica | 西丹沢
ウラギンスジヒョウモン
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F11 分割測光
ウラギンスジヒョウモン
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F8 分割測光
下山途中に現れたウラギンスジヒョウモンは綺麗な個体だった。

カミキリやオトシブミ等の甲虫類の方が多く見られた。どうせ同定すらしないので撮らなかったけど。但し、ちょっと覗いた三国林道の林道上を歩いていたクワガタの♀だけは撮っておいた。

クワガタの♀ | 西丹沢
クワガタの♀
SONY α55 | TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
90mm(135mm-equiv.) 絞り優先AE F8 分割測光

スジボソヤマキチョウに初めて逢えたことが救いかな? 8月中~下旬に遠征出来るようならもう一度来ようと思っていたが、次はもう、多少遠くても富士山麓の林道を目的地にした方が良いかも。

東高根森林公園

欲求不満気味だったので帰宅前に東高根森林公園に立ち寄った。 もっとも、さすがに時間が遅すぎてここでも活動中の蝶には逢えなかったが、 翅の痛んだカラスアゲハが休息しているのを見つけて撮った。

カラスアゲハ | Papilio bianor | 東高根森林公園
カラスアゲハ
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F5.6 分割測光 Flash=OFF
カラスアゲハ(Flash=ON)
SONY α55 | SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
200mm(300mm-equiv.) 絞り優先AE F5.6 分割測光 Flash=ON

西丹沢遠征:三国峠付近

前日の天気予報に傘マークが付いていてやきもきしましたが何とか曇天で踏みとどまってくれました。現地には10時頃に到着して15時頃までFieldwork。ガスが酷かったですが、それでも時折晴れ間が覗き、蝶も飛んでくれました。Fieldworkを終えて車に戻った15時過ぎから雨が降り出し、帰りの東名高速事故渋滞25kmを抜けた途端になんとゲリラ豪雨。Fieldwork中に降らなくて良かったァ。

三国峠~明神山

明神山はまとまった草原環境なので、今回はヒョウモンチョウ類とセセリチョウ類に期待していました。しかし、何しろ天候が良くないのであまり多くは期待できません。それでも、わずかなガスの晴れ間にキアゲハやヒョウモンチョウ類が飛び交う姿が見られました。残念ながらセセリチョウ類はごくわずかしか姿を見せませんでした。
ヒメシロチョウも期待していたのですが、登山道沿いに多かったシロチョウはどれもスジグロシロチョウで、ヒメシロチョウは見られませんでした。
林縁沿いには大型の夏型クロアゲハ数頭が蝶道を形成していました。時期的に第2化の発生初期くらいかと思ったのですが、どれもかなり擦れた個体でした。第2化は6月ということでしょうか。

明神山山頂付近でやや大型の黒いタテハが横切って飛んでいくのを数回見ましたが、思い当たる種がありません。黒いやや大型のタテハ…、何でしょう?
他には、ウラゴマダラシジミを1頭撮影。また、かなり大型のミスジチョウ(同定不能)が樹上高く旋回しているのを目撃しました。

ウラゴマダラシジミ | Artopoetes pryeri | 西丹沢
ウラゴマダラシジミ
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-Equiv.) 分割測光
三国峠から明神山への登山道を歩き始めてすぐに現れた。6月17日にルリシジミ♀をウラゴマダラシジミと見間違えたばかりですが、今度こそ間違いない。ゆたか。さんにコメントいただいた通り、本物を見たらすぐ判った。今度こそ生まれて初めて出逢ったゼフィルス。
ウラゴマダラシジミ(左側)
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光
残念ながらこの個体、左後翅が大きく破損している。最初目の前に現れたときは無傷だったのですが、小枝に後翅が引っ掛かった状態で「動かないで!」と念じたにも関わらずじりじり動き続けて目の前で翅が破けていくのを目撃してしまった。(哀しい)
ウラゴマダラシジミ
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-Equiv.) 分割測光
1枚目のアングルから少し引いて周辺環境を写し込んだ写真。この辺りはまだ草原環境というより疎林環境だ。
ヒメキマダラセセリ♀ | Ochlodes ochraceus ochraceus | 西丹沢
ヒメキマダラセセリ♀
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光
唯一撮影に成功したセセリ。セセリの同定には自信がないので、間違いがあったらご指摘下さい。キマダラ系のセセリを数頭、チャバネ系のセセリは1頭のみ目撃した。
キアゲハ♂ | Papilio machaon | 西丹沢
キアゲハ♂(吸蜜)
RICOH R8 | 18.7mm(105mm-Equiv.) 分割測光
ガスが少し晴れてくると真っ先に飛び出すのがキアゲハ。何頭か撮ったうち、吸蜜している姿が最も綺麗に撮れた1枚。惜しくも尾端が…。
キアゲハ♂(開翅)
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-Equiv.) 分割測光
上のとは別の個体。
ミドリヒョウモン♂ | Argynnis paphia | 西丹沢
ミドリヒョウモン♂
RICOH R8 | 18.7mm(105mm-Equiv.) 分割測光
ヒョウモンチョウ達は敏感で寄ろうとしてもすぐに飛んでしまう。この個体は唯一モデルになってくれたとっても良い子。開翅姿勢で止まっていたが翅裏が撮れないと同定できないので思案していたところ、私が首を動かすとビクッと翅を閉じる(但し飛ばない)のが分かったので、わざと首を動かしてタイミング良く撮った1枚。
ミドリヒョウモン♂(開翅)
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光
♂の証拠である三本の性標が見える。
クロアゲハ? | 西丹沢
クロアゲハ?
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
登山道の神奈川県側が樹林、山梨県側が草原環境になっていて、その林縁に沿って少数の夏型クロアゲハが蝶道を形成していた。どれも擦れた個体で、山頂部の7月初旬にしては擦れてる気がするのだが、麓から登ってきた個体なのだろうか。
カラスアゲハ?
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
こっちの写真で見ると前翅裏面の感じが妙にカラスアゲハっぽい。同じ個体のはずだが…。というか、また同定ミスじゃないだろうな…?

三国林道

午後は三国山経由で明神峠まで往復する予定だったが、明神山で少々時間を費やし過ぎて時間が足りなくなった。そこで、三国峠から明神山の稜線東側を巻くように、等高線に沿って延びている三国林道を少しだけ探索してみた。

どんな感じか掴むだけのつもりだったのだが、明るい林道沿いにウツギの花が多く咲いていて予想外に環境が良い。夏型のトラフシジミやアカタテハ、キマダラ系のセセリ等が訪花していたほか、少ないながらヒョウモン類も見られ、樹上ではクロヒカゲがテリトリーを張っていた。
樹上高所の葉上に半開翅して静止している姿、侵入してきたヒョウモン類を追飛して追い出す様子等、他のタテハ類のテリ張りと全く変わらない。「クロヒカゲってテリ張りするんだ」と意外に思って目を疑ったのだが、よく考えてみればクロヒカゲもタテハの一種だ。意外でも何でもないのかもしれない。

トラフシジミ(夏型) | Rapala arata | 西丹沢
トラフシジミ(夏型)
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
夏型トラフシジミは何頭か現れ、この写真よりもっと良いチャンスも有ったのだが、下手糞で撮り逃がしてしまった。

三国山

三国林道から戻った後、一応念のために三国山山頂まで登ってみた。登って判ったのは、三国峠~三国山山頂はずっとブナ林の中なので、蝶の撮影には向いてないということ。山頂で小休止中に暗い樹林内をクロヒカゲとアサギマダラが1頭ずつ彷徨い現れたくらい。三国山~明神峠間の様子は分からないが、無理にここを歩く必要は無さそうだ。

パノラマ台

帰る前に、さらに様子見で三国峠から山中湖側へ少し車を走らせ、パノラマ台へ。明神山からも30分ほどで下りてこられる場所だ。ここの駐車場でウラギンヒョウモンが吸水行動をしていたので、この日最後の撮影。

ウラギンヒョウモン♂ | Fabriciana adippe pallescens | 西丹沢
ウラギンヒョウモン♂
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
駐車場の出入りが多い上に結構敏感でなかなか近寄らせてくれない。真横からはここまで寄るのが限界。
ウラギンヒョウモン♂
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
ほぼ真後ろから近寄って、少し無理して横に手を伸ばして撮ったカット。この後、さらにもう少し横から、と手を伸ばしたら飛ばれた。
瀕死のウラギンヒョウモン
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-Equiv.) 分割測光
駐車場の真ん中にもう1頭、交通事故に遭ったらしい瀕死の個体がいた。完全にお亡くなりになっていたなら翅だけ持ち帰ったところだが、一応まだ息があったようなので安全な場所に避けておいてあげた。だが、恐らく生き延びることは出来ないだろう。

その他

オオセンチコガネ | 西丹沢
オオセンチコガネ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光
今回は蝶以外の昆虫は極力無視した。だが、このセンチコガネは思わず撮影。明神山ではあちこちで見かけた。
不明オオトラフハナムグリ | 西丹沢
オオトラフハナムグリ
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光 Flash-ON
三国峠~三国山間では何も撮るものが無かったので、見かけたこの美しい甲虫を撮った。で、これ何でしょう?7月8日追記:オオトラフハナムグリというらしい。私は林床で見つけたけど、実際には林縁の花によく訪花するそうだ。
ベニシジミ(夏型) | Lycaena phlaeas | 東名高速中井PA
ベニシジミ(夏型)
RICOH R8 | 15.1mm(85mm-Equiv.) 分割測光
帰路、休憩中にPAの外へ出て撮影。

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