Home > 西丹沢 > 西丹沢遠征(大又沢林道):その1

西丹沢遠征(大又沢林道):その1

また西丹沢へ遠征に行ってきました。

今回のターゲットはミヤマカラスアゲハ。昨年5月の日原遠征以来、もう何度目の挑戦になるのでしょうか。ミヤカラ狙いなら稜線より渓谷、ということで今回は大又沢林道を目的地としました。

但し、ミヤマカラスアゲハ以外にも草原性のセセリやヒョウモンが撮りたいので、ミヤマカラスアゲハ撮影の目的が達成でき次第、林道を引き返して三国峠~明神山へ転戦する予定としました。但し、苦戦した場合は片道3時間はゆうにかかりそうな地蔵平まで歩く予定なので、その場合は転戦する時間的余裕は無くなるでしょう。

最後に、直前になってもうひとつターゲットを加えました。キリシマミドリシジミです。今回遠征の予習のためにGoogle検索しているうちにヒットした、「かながわの蝶」という書籍の140頁(Googleブックスのプレビュー)にこう書いてあります。

ここでのハイライトは、県内では箱根地区とこの西丹沢一帯にしか分布していないキリシマミドリシジミの飛翔を、確実に観察できることである。
かながわの蝶/相模の蝶を語る会編(かなしん出版)

そういえば、フィールドノートのtheclaさんも8月1日にキリシマ狙いで丹沢の林道を歩いた。と書いたことを思い出しました。片道2時間以上歩いたとも書いてありました。なるほど、これは大又沢林道か世附林道のことにだったのか、と勝手に納得してこの蝶も急遽ターゲットに加えることにしたのです。もっとも私の撮影機材(RICOH R8)では樹上のゼフィルス撮影は難しいでしょうから、「この目で見られればラッキー、撮れたら奇跡」です。

カラスアゲハばかり…、ミヤカラはどこ?

前置きが長くなりました。

この日は浅瀬ゲートを8時20分頃に出発し、Fieldworkを開始しました。

まずは黒系アゲハですが、今回はカラスアゲハが最も多く見られました。林道上の湿地で吸水している個体も多かったですが、どれも単独吸水で期待していた吸水集団には出逢えませんでした。また、ややボロな個体が多くて新鮮な個体が居ません。午後には産卵行動を取る♀を2頭も目撃したことを考えあわせると、時期的にもうちょっと早め、7月下旬くらいの方が良かったのかもしれません。

カラスアゲハ | Papilio bianor | 西丹沢
カラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
カラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光
ややボロな個体が多かった上、吸水中も小刻みに移動するのであまり良い写真が無い。これでも比較的マシに写っている2枚。

カラスアゲハの他にはクロアゲハやオナガアゲハも何頭か現れましたが、歩けども歩けどもミヤマカラスアゲハは出てきません。…どうして?
結局、ミヤマカラスアゲハに出逢えないまま、地蔵平まで歩くことになってしまいました。待望のミヤマカラスアゲハに出逢えたのは帰路、それも全ルートの3/4くらい戻ってから。

ミヤマカラスアゲハ | Papilio maackii | 西丹沢
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 8.9mm(50mm-equiv.) 分割測光
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 8.9mm(50mm-equiv.) 分割測光
まずは表翅を2枚見ていただきましょう、微妙に半開翅ですが。カラス達と違って超美麗な新鮮個体でした。暗かったので内蔵FlashをONで撮影した方が綺麗に写ったかなあ。裏翅は内蔵Flashを焚いて撮ったものもあったのですが、表翅は撮り忘れてしまいました。
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 ±0.7EV
ミヤマカラスアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.) 分割測光 ±0.3EV
後翅裏面の黄帯はわずかしか出てません。4枚目が一番良く撮れてるかな。

今回も駄目かと思いましたが、ようやく念願のミヤマカラスアゲハを撮ることができました。

キリシマミドリ乱舞

一方の「この目で見られればラッキー、撮れたら奇跡」のターゲット、キリシマミドリシジミですが、こちらは何とあっさりその姿を拝むことが出来ました。

朝、浅瀬ゲートを出発してわずか10分後。大又沢分岐に到着して「ここでキリシマミドリが見られるらしいが…?」と橋の上から見回すと、いきなり目の高さを旋回して沢脇の樹上へ駆け上がる青緑色に輝くゼフィルスが目に入った。うわっ!キリシマミドリだ!本当に見られた!

その場で20分ほど観察していたが、沢脇のアカガシ(?)の周りを1個体が旋回するとすぐに枝先から1~2頭が飛び出して絡み合う。同時に見られたのは最大3頭まででしたが、あっちこっちから飛び出すので個体数はもっと多そうです。ただ、ここのキリシマミドリシジミははるか上の方で飛び回るばかりで、時折下の方に降りてきても凄い速さで旋回して樹上へ戻っていくので、やっぱり撮影はノーチャンスでした。諦めて先へ進むことにしました。

実は私が大又沢分岐でキリシマミドリを観察しているうちに、デジイチを首から提げて大又沢林道を歩いて行かれた方が一人居ました。何となく「蝶を撮りに来た方かな?」と思っていましたが、林道途中で追いつきました。頭上を見上げています。

「キリシマですか?」

と声をおかけしたところ、やはりキリシマミドリシジミを撮りに来られた方でした。この方にいろいろお話しを伺いながら、キリシマミドリシジミの撮影ポイントを2箇所ほど教えていただき、どちらのポイントでもキリシマミドリシジミが絡み合って飛ぶ様子を見ることが出来ました。特に奥の方のポイントでは、同時に7頭が絡み合って飛ぶ様子まで見ることが出来ました。(ウラギンシジミ等も混じっていたかもしれませんが…)

教えていただいた撮影ポイントは、どちらも最初に見た大又沢分岐よりも撮影距離がぐっと近く、条件は良さそうです。しかし、それでもR8の200mmではどうにもならない距離でした。教えていただいた方の機材は35mm換算で450mm相当とのことでしたが、それでも「証拠写真程度にしか撮れてない」と苦戦されているようでした。R8からの買い換え候補としてCX3やGXR+P10ユニット(どちらも300mm)を検討しているけれども、もっと焦点距離の長い、それこそSonyのNEX-3/5のようなミラーレス一眼くらいは必要かもしれないと思いました。

(続く)

2011年6月12日追記

記事中に「キリシマミドリシジミを撮影に来ていた方」のBlogを見つけました。嗚呼っっ 今日も証拠画像(・_・、)のdaron3さんでした。こちらの記事に一緒に撮らせてもらったミヤマカラスアゲハの写真が載っております。遅まきながら、トラックバックを打っておこう。

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://fieldnote.devgiri.org/147/trackback
Listed below are links to weblogs that reference
西丹沢遠征(大又沢林道):その1 from Field Notebook.(2008.07.22→2013.02.05)

Home > 西丹沢 > 西丹沢遠征(大又沢林道):その1

Search
Feeds
Meta

Return to page top