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1.Field Notebook. Archive

予約投稿7

予約投稿7

温暖化による北上・定着種

生田緑地のプラネタリウムに併設されている川崎市青少年科学館で「かわさきの昆虫展 ?蝶と蛾・バッタ類?」というミニ展示をやっていたので覗いてみると、近年の温暖化の影響で川崎市内に北上・定着した蝶が4種ほど紹介されていました。

  1. ツマグロヒョウモン
  2. クロコノマチョウ
  3. ムラサキツバメ
  4. ナガサキアゲハ

どれも、学生時代に昆虫採集をやっていた頃は関東地方には生息していなかった蝶です。

今まで気に留めていませんでしたが、ツマグロヒョウモンは確かに我が家の周辺の街中でも数年前から普通に見かけます。小学校校庭などの花壇によく集まって来るので観察も容易です。あまりに普通に見かけるので、今回この展示を見るまでこの蝶が北上・定着種であることに全く気付いていませんでした。

ツマグロヒョウモン以外の3種は見かけたことがありませんが、いずれも定着したとみられているようですのでいつか目にするのが楽しみです。それにしても、ナガサキアゲハに関する次の記載には驚きました。

ナガサキアゲハ
名前のとおり南方の蝶です。後翅に尾状突起のない黒いアゲハチョウ、
♀には白紋がある。2003年秋から見られる様になりました。
まだ数年しか経ていませんが、
最近見られる黒いアゲハチョウでは一番多いと思います。
幼虫の食草は主に栽培種のミカン類ですが、まだ観察の機会はありません。

驚いたのは「一番多い」という部分です。ええっ?一番多いの?それじゃあ、私がクロアゲハだと思って見送っていた黒いアゲハチョウたちの中にもナガサキアゲハが混じっていたのかもしれません。今度から黒いアゲハチョウを見かけたら、特に注意して観察しなければ。

生田緑地内で見かけた昆虫たち

移動中のミノムシ | 生田緑地
移動中のミノムシ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光
移動中のミノムシ。簑から身体を乗り出して簑ごと移動していきます。
ヒメジャノメ | Mycalesis gotama | 生田緑地
ヒメジャノメ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光
ヒメジャノメ。蛇の目紋が特徴的な翅の裏面も撮りたかったのですが、逃げられてしまいました。
ムラサキシジミ | Narathura japonica | 生田緑地
ムラサキシジミ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光
ムラサキシジミ。前述の北上・定着種であるムラサキツバメの近似種。
早速、ムラサキツバメか?と一瞬期待したのですが…。
(前翅先端の形状や尾状突起が無いのでムラサキシジミでしょう)

写真には撮りませんでしたが、他にキタキチョウ、クロアゲハ、ナナフシ、シャクガの幼虫(尺取り虫)などを見かけました。また、アオスジアゲハの♀が産卵場所を探して植樹の葉を飛び移っていくのが印象的でした。

斑尾山(北信)

斑尾山北西側山腹にて見られた蝶その他の昆虫です。

アサギマダラ、キアゲハ、各種ヒョウモンが多数登山道沿いの花畑で群舞していました。これらに混じってクジャクチョウの美しい姿が見られたほか、カラスアゲハやサカハチチョウ(夏型)なども確認しました。

キアゲハ | Papilio machaon | 斑尾山(北信)
吸蜜中のキアゲハ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
お花畑で吸蜜中のキアゲハです。キアゲハは動きが速く、ぶれてしまっています。
アサギマダラ | Parantica sita | 斑尾山(北信)
アサギマダラ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
アサギマダラ
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
アサギマダラです。北信地方では、毎年お盆前後に北上中のアサギマダラが見られるそうです。
アサギマダラ群舞
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
アサギマダラがヨツバヒヨドリの花に群がっている様子です。アサギマダラは本当にたくさん居ました。
ヒョウモンの仲間(詳細不明) | 斑尾山(北信)
ヒョウモンの仲間
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
ヒョウモンの仲間。アサギマダラと同様多数見られました。何種類か混飛していたのではないかと思いますが、慣れないのでちょっと見分けがつきません。
クジャクチョウ | Inachis io | 斑尾山(北信)
クジャクチョウ吸蜜
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
クジャクチョウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
クジャクチョウです。大変美しい蝶です。
ベニシジミ | Lycaena phlaeas | 斑尾山(北信)
ベニシジミ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
ベニシジミです。どこにでも居る普通種ですが、こうして見るととても綺麗です。

蝶以外の昆虫たち

アカトンボ(詳細不明) | 斑尾山(北信)
アカトンボ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
アカトンボです。ナツアカネかアキアカネだと思いますが、背中側からだと私には見分けがつかない…。
バッタの幼虫(詳細不明) | 斑尾山(北信)
バッタの幼虫
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
バッタの幼虫です。種類はよく分かりません。
ツノアオカメムシ | Pentatoma japonica | 斑尾山(北信)
ツノアオカメムシ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
カメムシの仲間。ツノアオカメムシじゃないかな?
ホソバミドリヨトウ | Euplexidia angusta | 斑尾山(北信)
ホソバミドリヨトウ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
蛾の仲間。ホソバミドリヨトウじゃないかな?
セスジスカシバ | Pennisetia fixseni fixseni | 斑尾山(北信)
セスジスカシバ
RICOH R8 | 35.4mm(200mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
蛾の仲間。蜂に擬態しているスカシバガの仲間で、おそらくセスジスカシバじゃないかと思うのですが。
オニヤンマ | Anotogaster sieboldii | 斑尾山(北信)
オニヤンマ
RICOH R8 | 5.7mm(32mm-equiv.)中央重点測光 WB=曇天
オニヤンマです。登山道沿いに多数見られました。 飛んでいるところは撮れないので、ネットインして手に持ったところを撮影。

アカボシゴマダラの分布拡大状況

本日の朝7時頃、初めて生田緑地以外でアカボシゴマダラを見ました。

そこで思い立って、川崎市内のアカボシゴマダラ目撃記録をGoogle検索してみました。

検索ワードは下記の通りです。

  • ブログ
  • アカボシゴマダラ
  • 川崎市

検索結果は37件でした。

ざっと見ていくと、川崎市南部(川崎区)では2005年頃から目撃記録があるようですが、川崎市中部〜北部地域では、こちらの昨年9月の記録が一番古いようです。目撃場所は東高根森林公園でした。

一昨年の記録はこれだけでしたが、今年に入ってから目撃記録が急に増えています。

川崎市内における分布拡大・定着は着実に進んでいるようです。

どこまで北上しているの?

検索中、こんな記事も見つけました。

東京都瑞穂町といえば、もはや埼玉県が目と鼻の先です。 数年後には関東一円でアカボシゴマダラが見られるようになってしまうのでしょうか。

アカボシゴマダラ(初撮影)

本日も生田緑地を散策したところ、昨日撮れなかったアカボシゴマダラが撮れました。 昨日目撃したのは3頭だけでしたが、歩くコースを変えてみたところ、今日はもっとたくさんのアカボシゴマダラが見られました。なかでも、伝統工芸館近くの展望台周辺と七草峠周辺には7~8頭程度ずつ飛び回っていました。 その数から言って、既に生田緑地には「定着した」と見て良いのではないでしょうか。

アカボシゴマダラ | Hestina assimilis | 生田緑地(川崎市多摩区)
アカボシゴマダラ(初撮影)
RICOH R8
アカボシゴマダラ | Hestina assimilis | 生田緑地(川崎市多摩区)
アカボシゴマダラ(初撮影)
RICOH R8

アカボシゴマダラ以外には、クロアゲハ、キタキチョウ、スジグロシロチョウ、ジャコウアゲハなどの姿が見られました。

初めてのアカボシゴマダラ(目撃)

生田緑地でアカボシゴマダラを初めて目撃しました。

ダンダラ模様・赤い斑紋・大きさはアゲハ春型程度…。

特徴を書くとまるで春型アゲハのようですが、アゲハの黄色っぽいダンダラ模様とは明らかに違う白っぽいダンダラ模様なので、遠目にも春型アゲハではないことはすぐに判りました。それに7月中旬ですからもうアゲハなら夏型のシーズンです。むしろオオムラサキやゴマダラチョウの季節だなあ…。

「もしかして、アカボシゴマダラ?」

本来、日本では奄美大島にしか生息しない種ですが、近年、人為的にゲリラ放蝶されたものがさいたま市の秋ヶ瀬公園や鎌倉市などで発生を繰り返しつつ分布を広げている、という噂をWEBで目にしていました。それでも、まさか生田緑地で…?。

Ricoh R8は持ち歩いていたものの、近くに止まってくれなかったので残念ながら写真は撮れませんでしたが、よく観察して脳裏に焼き付けておき、帰宅してから蝶の観察記録その2Web 日本産蝶類図鑑の写真と照合してみました。間違いありません。

本日目撃したのは奥の池付近で2頭と、噴水広場の南側の山へ登った先にある周遊路でさらに1頭の計3頭でした。明日も生田緑地を散策する予定なので、もう一度撮影にチャレンジしてみようと思います。

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